
「夢」が見つからない人へ。1人の大学生と会い、僕が感じたこと。〜志取材〜
上智大学1年生、杉山健成くん19歳。
今回は、宇宙事業を夢見る彼に取材を行ってきました。
彼に取材をした理由は2つ。
1つ目。
実は、僕も大学1年生で、将来、「コレ」を仕事にしたい!というものが見つからないまま、18年間生きてきました。
そんな時、知人から「宇宙を仕事にするために頑張っている大学生がいる」と聞き、その知人を通じて健成くんとの取材をセッティングしました。
そして2つ目。
これは単に、僕も宇宙が好きだからです。
みなさん、「宇宙兄弟」という漫画はご存知ですか?
実は、この漫画の大ファンで、宇宙が好きになりました。
宇宙というのは、壮大です。
いや、無限大です。
そんな、単に宇宙好きの僕が、人生を宇宙に捧げようとしている彼と、会ってきたというお話です。
1、彼が宇宙に興味を持ったきっかけ
彼の第一印象は「大人びている」という感じ。
「大学1年生」という情報しか持っていない状態で会ったので、正直最初は「え?この人?」と、思いました。
とても19歳とは思えないようなオーラをまとっていました。
彼の深い人生経験と、自信に満ちた雰囲気が、きっと僕にそんな錯覚を見せたのかもしれません。
では、そんな彼が、なぜ宇宙事業を志すようになったのでしょうか。
その答えは意外なものでした。
それは、
地元から見える星が、キレイだから。
彼の地元は、埼玉県の田舎町。
高校時代、野球部でピッチャーだった彼は、毎日遅くまで練習があり、ヘトヘトになってたどる家路はいつも真っ暗。
その頭上には、満点の星空。
綺麗な星を見るのは、誰だって好きですよね。
家から星を見たり、天体観測をしたり。
いつしかそんなことを繰り返しているうちに彼は、星に魅せられ、そして宇宙に魅せられていきました。
しかし、その時はまだ【「宇宙」と「仕事」】
この2つが結びつく段階ではありませんでした。
それは「宇宙」という存在が、あまりにも途方なもので、壮大なもので、手の届かないもの。
そんな認識が彼の中にあったからだと思います。
ましてや、日本という国ではアメリカやロシアなどと比べ、宇宙事業があまり発達していません。
そんな環境では、「宇宙は夢の世界」という認識があっても、おかしくありませんよね。
僕も、宇宙は好きですが、それを仕事にしたいとは思いませんでした。
それはやっぱり、ハードルが高いから。
でも、彼は違いました。
やがて彼は、自分の人生を変える2人の人物と出会います。
1人目は、
20代にして宇宙関係のベンチャー企業の社長をしている男性。
彼は、なんとなく参加した宇宙関連のイベントでこの男性と出会います。
その時、彼は
「宇宙を仕事にしていいのか!」そう思ったそうです。
手の届かないものだと思っていた「宇宙」という世界がグッと近づいた瞬間でした。
そして2人目。
その人物とは、なんと13歳の中学生。
話を聞くと、その中学生がとにかくすごい!ということが伝わってきました。
弱冠13歳にして英検1級に受かっているそうで、その子も宇宙事業を目指しているんだそう。
そんなスーパー中学生を目の当たりにした彼は、
自分との差を痛感し、
「あっ、俺がやらなくてもいいじゃん」「俺は主役じゃなくてもいいや」
と思ったそうです。
だって、主役はあの子であり。あの子のような子たちだから。
自分は主役になるような子たちには遠く及ばない存在だから。
そこで彼は主役になることを諦めると同時に、主役を支えることを決心しました。
様々な出会いを経験し、彼は主役ではなく脇役。
宇宙コンサルタントになりたいと、思ったそうです。
宇宙コンサルタントとは、宇宙を仕事にしている人たちをつなげ、宇宙事業の発達に尽力する。文字通り、「支えること」をする職業です。
2つの出会いを通じて、彼は自分の進む道を、決めました。
2、現在している活動
将来、宇宙を仕事にするために、彼は現在どんなことをしているのか。聞いてみました。
大学1年生ながら、宇宙ベンチャー起業のインターンと、経営コンサル系のインターンの両方を無給でしているそう。
学校と2つのインターン。
とても多忙な毎日で、睡眠時間も削っているそう。
「無給」という言葉に、胸がジーンとなるような驚きを感じました。
睡眠時間をも犠牲にし、無給で働く。
僕の価値観として、
無給で働くことは考えられませんでした。
人の根底にあるものは、必ずお金だと思うからです。
日本だけでなく世界の価値の価値基準はお金がもとになって、回っていると思うからです。
しかし、彼は無給で働いています。
僕の価値観は崩落しました。衝撃を受けると同時に、
彼の本気度と、情熱が、伝わってきました。
自分の目指す目標に対し、
脇目も振らず猛進し、妥協を許さないその姿が少し羨ましく思いました。
3、最後に
取材を通して、杉山健成という人物の凄さがとても伝わってきました。
彼は、他には染まらない。
杉山健成という人格であって、それ以上でもそれ以下でもない。自分の中に絶対を持っている。
そんな彼が少し、羨ましかったです。
ここで、印象に残った彼の言葉を、いくつか紹介させてください。
- 「論理的に考える奴は結局失敗する。だから、楽しいと思うことをすればいい」
- 「生き方なんて人それぞれ、どっちが正しいとかじゃない。どっちでもいい。だから今したいことをする」
- 「夢は変わってもいい」
- 「頑張っている人が偉いわけじゃない。人の生き方は否定できない」
- 「興味のある本しか読まなかったら、自分の興味の中だけの人間になってしまう。だから興味のない本を読む」
- 「俺は70億人のうちの1人でしかない。だから、主役じゃなくていいや」
重みがすごいんですよね。
言葉に込められた想いの重みが。
あっ、この人は本気なんだな。と思わせてくれる。
最終的な目標はなんですか?
と聞くと、彼は「無いです。」と答えました。
その言葉が1番、なんとなく生きてる自分にこたえました。
人生は人それぞれ。今したいことをすればいい。
きっとそれが彼のポリシーなのでしょう。
最初に言いましたが、僕にはこれといった将来の目標がありません。
だから彼に会いに行きました。
でも、彼も目標は無い。と言いました。
僕のようにやりたいことが見つからず、悩んでいる大学生が多くいると思います。そんな人に伝えたい。
彼も言っていました。
「夢は、無くたっていい。」
今、やりたいことを妥協せずにやる。
それが1番大事なんだと思います。
平凡な大学生である僕が、スーパー大学生杉山健成くんと出会い、
価値観を狂わされたこと。
生き方を否定することを否定されたこと。
夢を持つことを正当化しないこと。
これら全ての経験が、宝物になりました。
今、この記事を読んでいるあなたにとって、この記事が、少しでも自身を考えるきっかけになることができるのであれば、幸いです。
これから先、彼はどんな風に成長し、どんな人物になっていくのか
楽しみで仕方ありません。
きっと、
今も彼は主役ではない”支える側の人間”になるために、まだ見えない夢を追いかけていることでしょう。
(文/広大)